高齢HIV患者に1日1錠の配合剤(B/LSTR)登場:ARTISTRY-1試験
Switch to single-tablet bictegravir-lenacapavir from a complex HIV regimen (ARTISTRY-1): a randomised, open-label, phase 3 clinical trial
背景
HIV治療において1日1錠レジメン(STR)は標準的選択肢だが、長期治療歴や薬剤耐性、併存疾患による相互作用がある患者は、今なお複数の錠剤を服用する複雑な多剤併用療法(complex regimen)を余儀なくされている。
英国Queen Mary University of LondonのOrkinら(ARTISTRY-1)は、複合レジメンでウイルス学的抑制が得られたHIV-1患者557名を対象に、レナカパビルとビクテグラビルを配合した新規STRの、複合レジメンからの切り替えの有効性・安全性を検証する第3相非劣性試験を行った。
一次アウトカムは、48週時点でHIV-1 RNA量が50copies/mL以上(FDAのSnapshotアルゴリズムに基づく)であった参加者の割合とした。
結論
新規STRへの切り替えは従来療法に対して非劣性であった:一次アウトカムは、新規STR群で1%、従来療法群で1%。耐性ウイルスの出現も認められず、脂質プロファイルの改善や治療満足度の向上が具体的数値で確認された。
評価
Gilead Sciencesの調整による新規配合剤である。中央値60歳、HIV治療歴28年という長期治療経験を持つ高齢患者層では、1日最大11錠もの服用負担があったが、それを1錠に集約できることを示した。著者らは、特に薬剤耐性が原因で既存のSTRが使えなかった患者(全体の81%)にとって、高い耐性障壁を持つ本配合剤が有力な選択肢になると強調している。
eGFR<15mL/minという参加者も含まれており、高齢化に伴う併存疾患や多剤併用(ポリファーマシー)のリスクを抱える患者群への適合性は高く評価される。オープンラベル試験特有のバイアスは否定できないが、長期治療継続に不可欠な利便性と満足度の両立が裏付けられた。


