ドラベ症候群にASO療法zorevunersen登場
Zorevunersen in Children and Adolescents with Dravet Syndrome

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
March 2026
394
開始ページ
969

背景

ドラベ症候群は、ナトリウムチャネル遺伝子SCN1Aの遺伝子変異によるてんかん性脳症で、乳幼児期から激しい発作や発達遅滞が生じ、根本治療は存在しない。
英国University College LondonのCrossらは、標準的抗てんかん薬を服用している2〜18歳の同症候群患者81名を対象に、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)zorevunersenを用い、本来は分解されるはずの不完全なmRNA(ポイズン・エクソンを含むもの)を正常なmRNAへと変換させることで、脳内のNaV1.1タンパク質を増強する新規治療の安全性と効果を検証した。
初期の用量設定を行う第1〜2a相試験(MONARCH、ADMIRAL)と、その後の長期投与を行う継続試験(SWALLOWTAIL、LONGWING)の二段階で構成された。初期試験では単回投与(10〜70 mg)または3ヵ月間で計2〜3回の反復投与(20〜70 mg)を行い、継続試験では45 mg以下の用量を4ヵ月間隔で定期的に髄腔内投与することで、長期的な安全性と治療効果の推移を評価した。

結論

Zorevunersenの投与は劇的な発作抑制効果を示した。特に最高用量(70 mg)群では、けいれん発作頻度の減少率中央値が最大で約80%〜90%に達し、この効果は最長36ヵ月間維持された。安全性に関しては、髄液タンパクの上昇(45%)が主な副作用であったが、多くは軽度から中等度であった。発作頻度の減少に加え、コミュニケーション能力や適応行動といった発達面の改善が具体的な数値(Vineland-3スコア等)で確認された。

評価

Stoke Therapeuticsの創薬で、ハプロ不全というドラベ症候群の根本原因を是正する画期的なアップレギュレーションによる疾患修飾療法を初めて示した。最高用量でみられた80%超の発作減少は、これまで前例がない。さらに、特定の変異に依存せず、すべてのドラベ症候群患者に適用可能な点も革新的である。また、認知・行動面の改善がNaV1.1の生理的レベルへの復元に裏打ちされている点も注目される。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell