膝OAへの膝蓋下脂肪体グルココルチコイド注射は無効?
Infrapatellar Fat Pad Glucocorticoid Injection in Knee Osteoarthritis: A Randomized Clinical Trial
背景
変形性膝関節症(OA)において、関節内ステロイド注射は軟骨減少のリスクが懸念されており、膝蓋下脂肪体(IPFP)へのグルココルチコイド注射が、軟骨保護と抗炎症効果を両立させる選択肢として注目されている。
中国Southern Medical UniversityのZhangらは、炎症所見を有する膝OA患者60名を対象に、超音波ガイド下でのIPFPグルココルチコイド注射の有効性と安全性を12週間のRCTで検証した(対照:プラセボ)。
一次アウトカムは、VASによる膝痛の変化と、MRIで測定した関節液貯留であった。
結論
IPFPへのグルココルチコイド注射の有効性を認めなかった。MRI計測による関節滲出液量の減少にも、群間有意差はなかった。
評価
解剖学・生理学的に魅力のあるターゲットに精密アプローチする、という新しい試みの、最初とみられるRCTだったが、有効性を認めなかった。著者らは、未だサンプルサイズが小さく、検出力が不足した可能性を指摘し、事後解析ではWOMAC痛みスコアや軟骨欠損スコアに改善傾向がみられたとしている。ここでの報告は、「最終」ともみられない。


