急性網膜中心動脈閉塞症に対するテネクテプラーゼ、有効性示せず:TenCRAOS試験
A Randomized Trial of Tenecteplase in Acute Central Retinal Artery Occlusion
背景
網膜中心動脈閉塞症(CRAO)に血栓溶解薬は有効か。
ノルウェーUniversity HospitalのAamodtら(TenCRAOS)は、発症から4.5時間以内の急性期患者78名を対象に、テネクテプラーゼの有効性・安全性をアスピリンと比較する第3相RCTを行った。
一次エンドポイントは30日時点での視力回復(logMAR 0.7以下)であった。
結論
一次エンドポイントに有意差を認めなかった。テネクテプラーゼ群では1名の致命的な脳出血(発生率2.5%)を含む重篤な有害事象が発生した。患者の大多数が発症3時間以内に治療開始されたが、一次エンドポイントにおいてアスピリンに対する優位性は示されなかった。
評価
眼科と神経内科の多国籍連携により、困難とされた急性期CRAOのRCTを完遂した点が高く評価される。結果は全くネガティブだが、著者らは、この試験が「50%の回復率」という非常に大きな治療効果を想定して設計されており、統計的パワー不足により「臨床的に意義のある小さな効果」を見逃した可能性があるとしている。TenCRAOS試験の限界を克服するために、より大規模な症例数(最大422名)で検証を進めるREVISION試験が、現在進行中である。


