慢性腰痛への感覚運動ハビリテーションに特異的有効集団はあるか:RESOLVE試験二次解析
Effect Modifiers of Graded Sensorimotor Retraining for Chronic Low Back Pain: A Secondary Analysis of the RESOLVE Randomized Trial
背景
慢性腰痛(LBP)に対する「段階的感覚運動リハビリテーション(RESOLVEプログラム)」は、痛みと障害を改善することが示されている(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35916848/)が、どのような特徴を持つ患者に最も効果があるのか。
オーストラリアNeuroscience ResearchのVenterらは、RESOLVE試験の二次解析として、向精神薬使用や運動恐怖、back perception(背中の知覚/自己身体認知)等8変数が治療効果に与える影響(交互作用)を検証した(n=276)。
一次アウトカムは、無作為化後18週および52週で評価した疼痛強度および障害レベルであった。
結論
疼痛自己効力感・疼痛破局化・疼痛強度・向精神薬使用等ほとんどのベースライン変数において治療効果を修飾する証拠は認められなかったが、52週時点の疼痛強度においてback perceptionが有意な交互作用を示し、知覚障害が少ない患者ほど長期的な恩恵が大きい可能性が示唆された。しかし全体としては、本治療の便益は個人の背景によらず、多くの非特異的LBP患者に共通して得られるものである。
評価
期待の大きい感覚運動再訓練(RESOLVEプログラム)の特異的有効患者集団を検出するための再解析だったが、そのようなサブグループは特定できなかった。本治療が汎用性の高いアプローチであることが強調される一方、知覚障害が著しい患者に対しては、VRやバイオフィードバックを用いた追加支援が必要となる可能性も示唆される。今後は、今回特定された「back perception」などの要因を事前に考慮した、より大規模な検証が期待される。


