思春期アスリートの腰椎分離症は1週以内に理学療法を開始
Immediate physical therapy is beneficial for adolescent athletes with active lumbar spondylolysis: a multicentre randomised trial
背景
腰痛(LBP)を有する思春期アスリートに多い腰椎分離症の標準治療は、骨癒合を優先した長期安静後の理学療法(PT)が一般的であったが、安静は筋萎縮や復帰の遅れを招く懸念がある。
アメリカNationwide Children’s HospitalのSelhorstらは、同患者64名(年齢中央値14.2歳、女性40%)を対象として、診断後7日以内にPTを開始する群と、腰痛が2日間連続して消失するまで安静にした後にPTを開始する群を比較するRCTを行った。一次アウトカムは、痛み・機能・復帰までの期間であった。
結論
即時PTの一次アウトカム効果を認めた。安静と比較し、1ヵ月時点のMicheli Functional Scaleで21.3点改善し、また、スポーツ復帰は38日早く、12ヵ月以内の腰痛再発率も安静群の29%に対し即時PT群は3%と大幅に低かった。3ヵ月後のMRIによる骨癒合率に差はなかった。
評価
従来の「まずは安静」という慣例にチャレンジし、小規模試験ではあるが、早期介入の優位性を示すエビデンスを提出した。著者らは、即時PT群で多裂筋の横断面積が増加した一方、安静群の50%に筋萎縮がみられたことが再発率の差に寄与したとしている。このプログラムでは、即時PTは、診断から平均6日以内に開始され、週2回、各1時間の個別セッションで行われた。プログラムは固定の安静期間を設けず、患者の痛みと機能の改善状況に応じて段階的に負荷を上げる「痛みベース」で進行する。この間、競技は休止するが、腰椎を支える多裂筋の強化に早期から着手することで、筋萎縮を防ぎつつ、3ヵ月後の骨癒合を損なうことなく、安静群より38日早い平均2.5ヶ月での復帰を実現している。


