結核性髄膜炎に経口高用量リファンピンは無益:HARVEST試験
Trial of High-Dose Oral Rifampin in Adults with Tuberculous Meningitis

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
December 2025
393
開始ページ
2434

背景

結核性髄膜炎は途上国で高い致死率を示す深刻な公衆衛生問題である。標準量のリファンピンは中枢神経系への移行性が低く、生存率向上を目指した高用量投与の有効性が期待されていた。
イギリスGlobal Health and InfectionのCresswellらは、インドネシア、南アフリカ、ウガンダの成人499名(60.9%がヒト免疫不全ウイルス[HIV]感染者、85.8%が結核性髄膜炎の確実例・疑い例)を対象に、標準レジメン(イソニアジド・リファンピン・エタンブトール・ピラジナミド)の連日投与へのリファンピン高用量追加(8週間)の有効性・安全性を検証する第3相RCTを実施した(対照: 標準レジメンのみ)。一次アウトカムは、6ヵ月死亡率であった。

結論

高用量使用の一次アウトカム優越性を認めなかった:44.6% vs. 40.7%(HR 1.17)。機能予後にも改善はなく、高用量リファンピンによる生存ベネフィットは認められなかった。

評価

London School of Hygiene and Tropical Medicineが主導し、第1相から積み上げてきた仮説の最終検証であり、ここでの意外な否定的結果は衝撃をもって受け止められている。失敗要因として、高用量投与がステロイド代謝を促進して抗炎症効果を減弱させた可能性や、菌の急速な殺滅が過剰な免疫反応を誘発した可能性等が議論されている。肝障害は高用量群で標準群より多かったが、致命的ではなかった。この問題は振り出しに戻り、現在アスピリンやリネゾリドの使用が試みられている。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell