MoM使用人工股関節全置換術ではHRAがLDH-THAに優る:系統レビュー・メタアナリシス
Hip Resurfacing Arthroplasty Is Associated with Lower Metal Ion Levels and Revision Risk Compared with Large-Head Metal-on-Metal Total Hip Arthroplasty: A Systematic Review and Meta-Analysis
背景
大径骨頭を用いた人工股関節全置換術(LDH-THA)と表面置換型人工股関節全置換術(HRA)は、ともにMoM(metal-on-metal)摺動面を用いることで、より大きなヘッドサイズを可能にし、活動的な若年患者の脱臼リスク低減と機能向上を目的に登場したが、金属イオン放出等の問題により使用が制限された。
アメリカCalifornia Northstate UniversityのShanaaらは、両手術の長期転帰・金属イオン濃度・再置換率を比較する系統レビュー・メタアナリシスを行った。
結論
221研究中21研究が包含基準を満たした(LDH-THA 5,545件、HRA 3,197件)。HRAはLDH-THAと比較し、より好ましい転帰プロファイルを示した。LDH-THAの再置換率が16%であったのに対し、HRA7.8%であった。LDH-THAはHRAよりコバルト(SMD: 1.07)・クロム(0.53)の血中濃度が有意に高く、再置換リスクも高い傾向にあった(OR 1.75)。
評価
MoMベアリングの使用自体は現在ほぼ歴史的なものになっているが、活動性の高い若年患者において、LDH-THAよりHRAの方が優れていることを確認したメタアナリシスである。これは、LDH-THA が骨頭とステムの間の継手(テーパー)でも金属摩耗が生じやすいのに対し、HRAはベアリング構造が単純で摩耗源が少ないためである。HRAは、股関節の機能評価(UCLAスコアやHHS)でも優位性を示す傾向にあり、人工股関節の長期管理と将来のインプラント設計において、MoMの技術的側面(表面積の拡大と摩擦熱・イオン放出など)を再考する上で重要なデータを提供する。


