新規抗DENV薬mosnodenvirは有望
Daily Mosnodenvir as Dengue Prophylaxis in a Controlled Human Infection Model
背景
世界人口の約半数がデング熱のリスクに晒されており、既に3種のワクチンが開発されているが、抗ウイルス薬による予防・治療法は存在しない。
アメリカJohns Hopkins Bloomberg School of Public HealthのDurbinらは、新規抗デングウイルス(DENV)薬mosnodenvir(JNJ-1802: ウイルスの非構造タンパク質4B[NS4B]に結合し、NS4BとNS3の相互作用を阻害してウイルスの複製を阻害する)の3用量をヒト感染モデルで評価し、その予防的抗ウイルス活性を検証する第2a相試験を行った。
一次有効性エンドポイントは、DENV-3 RNA量であった。
結論
高用量の経口mosnodenvirは、プラセボと比較してDENV-3 RNA量を有意に低下させた。高用量群では60%の参加者に感染兆候が生じなかった(プラセボは0%)。重篤有害事象は発生しなかった。
評価
Johnson & Johnsonの創薬で、治療薬としての開発断念後、予防薬としてCHIM(Controlled Human Infection Model: 制御されたヒト感染モデル)で本試験を行い、成功した。多数の抗デング薬の失敗を最終的に乗り越えることができるかが注目され、第3相大規模検証への期待は高い。


