心筋仕事量指標(MWI)でアスリート心臓のリモデリングを評価する
Myocardial work indexes in elite athletes: An emerging echocardiographic tool to confirm physiologic cardiac remodeling in elite athletes with mildly reduced systolic function

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
American Heart Journal
年月
February 2026
292
開始ページ
107271

背景

アスリート心臓のリモデリングは、拡張型心筋症(DCM)との鑑別が問題になることがある。心筋仕事量指標(Myocardial Work Index: MWI)は、後負荷非依存的指標であり、軽度LVEF低下(<55%)を示すアスリートの早期の潜在的異常を特定し、鑑別診断に役立つ可能性がある。
イタリアUniversity of RomeのDi Gioiaらは、持久力競技および混合競技に携わるエリートアスリート306名を対象に心肺運動負荷試験(CPET)および経胸壁心エコー検査を実施し、軽度左室駆出率(LVEF)低下を呈するアスリートの評価におけるMWIの有用性を検討した。

結論

LVEF<55%のアスリート群(27名)は、≧55%の群に比べ心腔拡大を認めたが、MWI値(GWI・GWE等)に差はなかった。また、前者はより優れた機能的パラメーター(CPETでのVO2 maxなど)を示し、MWIの温存は駆出率(EF)の軽度低下が生理学的適応であることを示唆する。

評価

ここ10年注目されているMWI指標を、アスリート心臓と初期DCMとの鑑別に利用する、という面白い研究で、「有用」と結論した。現在用いられているEFやストレイン(GLS)の限界を克服し、後負荷を考慮に入れることが可能となり、潜在的な心筋機能不全の早期特定に貢献しうる。MWIの温存が生理学的リモデリングと良好な運動耐容能を裏付けるという知見は、不必要な競技制限を防ぐ上で重要である。

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取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy