Cam変形が股関節OA発症リスクであることを最大のIPDメタアナリシスで確定
Cam morphology and the risk of developing radiographic hip osteoarthritis within 8 years: an individual participant data meta-analysis of 23 886 hips from the world COACH consortium
背景
Cam(カム)変形は変形性股関節症(OA)の潜在的リスク因子だが、関連の強さは研究により異なり一般化が困難であった。
世界COACHコンソーシアムは、大規模individual participant data(IPD)メタアナリシスによりCam変形と股関節OA発症との関係を評価した。合計23,886股関節が対象となった(平均年齢:62.2±8.4歳、女性70.6%、BMI:27.4±4.5、平均追跡期間:6.1±3.0年)。
結論
Cam変形は股関節OA(OR 1.87)と関連しており、α角の増大(1.02)とも関連した。Cam変形の股関節における股関節OA発症の全体的な相対リスクは1.62で、51〜60歳のサブグループ(2.15)と男性(2.50)で相対リスクが高かった。
評価
過去最大のIPDセットを用い、自動測定と厳密な股関節OA定義により、Cam変形が股関節OAの明確なリスク因子であることをロバストに確認した。リスク強度は過去報告より低いが、これは初期の股関節OA疑い例を除外したためであり、真の関連性を示すと著者らは言っている。男性と51〜60歳でリスクが高いというサブグループ解析の結果は、股関節OAの一次・二次予防戦略におけるハイリスク群の特定と介入標的としてCam変形が重要であることを示す。


