AKT阻害薬engasertibが遺伝性出血性末梢血管拡張症(HHT)で第1相通過
Engasertib versus Placebo for Bleeding in Hereditary Hemorrhagic Telangiectasia

カテゴリー
Top Journal
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
November 2025
393
開始ページ
2131

背景

遺伝性出血性末梢血管拡張症(HHT)治療には決め手がない。
アメリカMassachusetts General HospitalのAl-Samkariらは、75名の患者を対象に、AKTシグナル伝達の経口阻害薬engasertibの安全性・有効性をプラセボと比較する第1b相試験を行った。
一次エンドポイントは、有害事象の発現頻度と重症度であった。

結論

一次エンドポイントは、engasertib群(30 mg群と40 mg群)とプラセボ群で同程度であった。標的を介した有害事象として、軽〜中等度の発疹と軽〜中等度の高血糖が認められたが、可逆的であった。
鼻出血の持続時間の平均減少率は、40 mg群で41.4%、プラセボ群で23.8%で、頻度やフロー強度でも用量依存的な改善が示唆された。

評価

Vaderis Therapeuticsの開発で、HHTに対する初の経口小分子AKT阻害薬である。この経路の阻害は抗体薬によって試みられたが失敗しており、今回の試みは興味深い。用量依存的かつ一貫した鼻出血の改善が示されたとしており、第2相に進むことになる。なお、抗腫瘍薬としての効果検定も平行して進められている。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(Top Journal)

The New England Journal of Medicine(NEJM)、The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Lancet、Nature、Nature Medicine、Science、Science Translational Medicine、Cell