インフルエンザにmRNAワクチン登場:Pfizer C4781004試験
Efficacy, Immunogenicity, and Safety of Modified mRNA Influenza Vaccine
背景
ヌクレオシド修飾メッセンジャーRNA(modRNA)技術を用いたインフルエンザワクチンが開発された。
アメリカPfizerのLindertら(Pfizer C4781004)は、2022〜23年インフルエンザ流行期に米国・南アフリカ・フィリピンにおける18〜64歳の健康な成人18,476を4価modRNAインフルエンザワクチン群と不活化4価インフルエンザワクチン群(対照群)に割り付ける第3相試験を行った。
一次エンドポイントは、modRNAインフルエンザワクチンの相対的有効性で、非劣性と優越性を検証した。
結論
modRNAワクチンは、対照群に対して相対的有効性34.5%で非劣性・優越性を示した。症例の多くはA型株(A/H3N2株とA/H1N1株)が原因で、B型株が原因のものはわずかであった。HAIアッセイでの抗体反応の非劣性はA型株に対して示されたが、B型株に対しては示されなかった。modRNA群で疼痛や発熱を含む軽〜中等度の副反応の報告頻度が高かった(局所反応: 70.1% vs. 43.1%、全身性事象: 65.8% vs. 48.7%)。発熱は modRNA群の5.6%と対照群の1.7%に発現した。有害事象プロファイルは両群で同様であった。
評価
mRNAプラットフォームによるインフルエンザワクチンはModernaも開発に成功しており(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39919447/)、ここでのPfizerワクチンとともに、既存ワクチンを上回る有効性を示している。ともに副反応の多さが目立ち、後者では高齢者層で有効性が同等なこと、B型株への抗体応答が低いことが、注目される。承認は次シーズンとなる可能性が高いが、即汎用となるかどうかは明らかでない。


