FIFA加盟協会の心臓スクリーニング実施には国際的に大きなばらつきがある
Global cardiac screening practices among youth and adult football players: the FIFA cardiac screening survey
背景
FIFAは加盟協会に何らかの心臓スクリーニングを推奨しているが、実施状況は不明であった。
ドイツSaarland UniversityのEggerらは、FIFA全211の加盟協会(MA)を対象とした横断的調査を実施し、成人およびユース選手の心臓スクリーニングの実態を調査した。78%が調査に回答した。
結論
回答したMA81%が心臓スクリーニングを推奨/義務化していたが、地域差(33%〜100%)が著しかった。回答したほとんどのMA(81%〜92%)が、成人およびユースの男女選手に対して、少なくとも病歴・身体検査・安静時ECG検査のプロトコルを採用していた。ユース選手は成人よりスクリーニングが少なく(44% vs. 63%〜68%)、開始年齢や頻度にばらつきがあった。
評価
世界のエリートサッカー選手に対し、ECGは広く普及しているものの、UCGは、特にユース層で地域差・資源制約があった。今後の標準化国際ガイドライン策定の必要性を示す結果である。なお、Jリーグ規約は、選手に対する毎年の、 胸部レントゲン検査・安静時ECG・UCG(5年に1度)・血液検査・尿検査・外傷障害検査・負荷ECG(任意)を規定している(https://aboutj.jleague.jp/corporate/assets/pdf/regulation/jleague/jleague_terms_and_conditions.pdf)。


