膝OAにはオンライン太極拳介入:RETREAT試験
Online Unsupervised Tai Chi Intervention for Knee Pain and Function in People With Knee Osteoarthritis: The RETREAT Randomized Clinical Trial

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
JAMA Internal Medicine
年月
October 2025
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開始ページ
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背景

変形性膝関節症(OA)に対し太極拳が推奨されているが、対面クラスの利用は限定的である。
オーストラリアThe University of MelbourneのZhuら(RETREAT)は、膝OA患者178名を対象に、12週間の自己主導型の多角的オンライン太極拳介入(My Joint Tai Chi)が、膝痛と機能に及ぼす影響を検証するRCTを行った。
対照群の参加者は、膝OAと運動のメリットに関する情報が掲載された専用ウェブサイトを利用し、介入群の参加者は、対照群と同じウェブサイトへのアクセスに加え、太極拳に関する情報、12週間の自己主導型のビデオベースの楊式太極拳プログラム、そしてプログラム遵守を促進するためのアプリ使用が奨励された。
一次アウトカムは、12週間における歩行中の膝痛(Numeric Rating Scale[NRS])および身体機能障害(ウエスタンオンタリオ大学・マクマスター大学変形性関節症指数[WOMAC])の変化であった。

結論

オンライン介入の一次アウトカム効果を認めた[歩行時膝痛(−1.3 vs.−2.7);身体機能(−6.9 vs. −12.0)]。介入群の参加者の73%が臨床的に意味のある痛みの最小差を達成した。膝の痛みの他の指標(スポーツ・レクリエーション機能、QOL、心身の健康状態、全般的改善、疼痛自己効力感、バランスへの自信など)においても介入群が優位で、重篤有害事象はなかった。

評価

膝OAに対する遠隔医療は重要テーマで、研究も多く、メタアナリシスもある(https://www.jmir.org/2023/1/e40735)。この論文は、著者らが開発したプログラムによる監督なし自己主導型オンライン太極拳介入の有効性・安全性を確認したもので、この安価でスケーラブルな選択肢の有用性を確立した。今後は、多様なプログラム間で競争が行われることになる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy