ラッサ熱への新規ワクチンrVSVΔG-LASV-GPC第1相をクリア:rVSVΔG-LASV-GPC試験
Safety and Immunogenicity of an rVSV Lassa Fever Vaccine Candidate
背景
ラッサ熱には現在、有効なワクチンが存在しない。
アメリカIAVIのGuptaらは、アメリカとリベリアの健康成人114名を対象に、新規ワクチン候補rVSVΔG-LASV-GPC(組換え水疱性口内炎ウイルス[rVSV]ベクターワクチンで、ラッサウイルス[LASV]糖蛋白複合体を発現させる)の筋肉内接種の安全性と免疫原性を検討する第1相RCTを行った(対照:プラセボ)。
一次エンドポイントは副作用プロファイルで、有害事象発生率に基づいて評価された。
結論
ワクチンは、一過性の局所および全身性の反応原性事象(reactogenicity event)を引き起こしたが、聴力損失等の重篤ワクチン関連有害事象は認められなかった。単回投与であっても、広範囲の用量において、主要なLASV系統に対して交差反応性を持つ強力で長期持続的な細胞性・液性(結合抗体および中和抗体)免疫応答を誘導した。
評価
ラッサ熱ワクチンは、様々な開発が試みられてきたが成功していない。本ワクチンは、すでに確立されているエボラワクチンERVEBOと同じrVSVベクタープラットフォームに基づいており、同じMerckが開発を担っている。第1相として十分な結果を出して現在第2相が進んでおり、人種集団や既存免疫による効果差等が検証テーマとなる。


