ルワンダにおけるマールブルグ病アウトブレイクの早期封じ込めを報告
Marburg Virus Disease in Rwanda, 2024− Public Health and Clinical Responses
背景
2024年9月27日、ルワンダは、都市部の病院で集団発生したウイルス性出血熱を受け、マールブルグ病(MVD)のアウトブレイクを宣言した。これまでのMVDアウトブレイクは遠隔地で発生し、高い致死率が特徴であったが、今回のルワンダでのアウトブレイクは、首都キガリという人口密集地で発生した点で異例で、この都市型アウトブレイクは院内感染のリスクを高めたが、同時に高度な医療介入を可能にした。
ルワンダMinistry of HealthのNsanzimanaらは、この集団発生におけるMVDの疫学・臨床所見・治療・社会対応ついてデータを収集・解析し、症例シリーズ報告を行った。
結論
ルワンダにおけるMVDアウトブレイクでは、迅速な封じ込め策、高度な対症療法、および治験薬の導入が、致死率の低減に貢献した。全6,340名のMVD疑い患者のうち、66名が確定診断され、その77%が医療従事者であった。致死率は23%と、過去のアウトブレイク(80%以上)と比較して大幅に低かった。アウトブレイクはコウモリとの接触による人獣共通感染が原因と強く示唆された。レムデシビルとモノクローナル抗体MBP091が治療に用いられ、1,710名の高リスク接触者にはチンパンジーアデノウイルス3型ベクターワクチンChAd3-MARVが緊急使用承認下で投与された。最終的にアウトブレイクは封じ込められ、3ヵ月で(2024年12月20日)終息が宣言された。
評価
MVDアウトブレイクは1967以後約20を数えるが、本アウトブレイクは、初めての都市型・集団発生(院内感染)で、極めて異例の事態となった。特に、発症初期の症例の致死率が80%と高かったにもかかわらず、アウトブレイク全体では23%に抑えられたことは、早期の症例特定と医療介入の重要性を明確に示している。都市部での発生であったため、医療資源の効率・迅速な展開を可能にし、高度な対症療法・人工呼吸器・透析・治験薬(レムデシビル、MBP091)が、多くの患者の救命に寄与した。全体的には、人・動物・環境の健康を統合的に考えるOne Healthアプローチ(概念)の重要性を改めて示した。


