リスジプラムの脊髄性筋萎縮症発症前乳児への使用は有望:RAINBOWFISH試験
Risdiplam in Presymptomatic Spinal Muscular Atrophy
背景
リスジプラムは、症候性脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する有効な経口治療薬だが、臨床症状が現れる前の無症候患者に対する安全性・有効性は不明であった。
アメリカSt. Jude Children’s Research HospitalのFinkelら(RAINBOWFISH)は、SMAと遺伝子診断された生後6週間以内の無症候乳児26名を対象に、リスジプラムの有効性・安全性を評価する第2相非盲検試験を行った。
一次エンドポイントは、12ヵ月の治療後における自立した座位の保持で、SMN2コピー数が2つで、ベースライン時の尺骨神経複合筋活動電位(CMAP)の振幅が1.5mV以上の乳児で評価した。
結論
参加者の81%が自立した30秒間の座位の保持を達成し、54%は起立可能で、42%は独歩可能であった。SMN2コピー数が2つで、ベースライン時のCMAPの振幅が1.5mV以上の5名中4名は自立した5秒以上の座位保持が可能であった。
24ヵ月後には、すべての乳児が生存しており、恒久的な換気補助や経管栄養を必要としなかった。運動機能の改善も顕著で、91%が自立歩行を達成した。治療関連有害事象は軽度で、重篤なものは報告されなかった。これらの結果は、自然歴研究における未治療の乳児と比較して、リスジプラムが生存率と機能的予後を大幅に改善することを示唆している。
評価
懸案であった、無症候性SMA乳児に対するリスジプラムによる早期介入の有効性・安全性を実証した。特に、通常であれば座位獲得も困難とされるSMN2コピー数2の乳児が、早期治療により顕著な運動発達を達成したことは重要な知見である。また、経口投与であるため、乳児への投与が簡便で、入院を必要としない点も実用性が高い。倫理的理由によりオープンラベルであり、長期データも限られているが、FDAがこの段階で適応拡張を承認する可能性は高い。


