膝OA治療に低用量メトトレキサートは無益
Low-Dose Methotrexate for the Treatment of Inflammatory Knee Osteoarthritis: A Randomized Clinical Trial
背景
メトトレキサート(MTX)が手指OAの痛みを軽減する可能性が示唆されているが、膝OAへの効果は不明である。
中国Southern Medical UniversityのZhuらは、同国11施設215名の膝OAおよび滲出性滑膜炎患者に対するMTX(週最大15mg)の症状緩和と疾患修飾効果を検証する多施設RCTを行った(対照:プラセボ)。
一次アウトカムは、52週間の視覚的アナログスケール(VAS)による膝の痛みの変化と滲出液-滑膜炎最大面積の変化であった。
結論
一次アウトカムに有意差は認められなかった。事前指定二次アウトカムでも有意な群間差はなかった。両群で少なくとも1件の有害事象が発生した。
評価
同テーマでやや小規模の先行RCTは、一応有効との判定を発表しているが(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39074374/)、ここでの結果は、有害事象の可能性も考慮すると、膝OA患者の症状緩和や病状改善を目的としたMTX使用を支持するものではない。JAMAのInvited Commentaryは、今後はMTXに拘ることなく、関節炎症を抑制し、軟骨細胞を刺激してマトリックス合成を促す新治療法の開発に焦点を当てるべきである、としている。