MASHによる代償性肝硬変へのefruxifermin第3相へ:SYMMETRY試験
Efruxifermin in Compensated Liver Cirrhosis Caused by MASH
背景
Efruxiferminは、新規線維芽細胞増殖因子21(FGF21)アナログである。
アメリカHouston Methodist HospitalのNoureddinらは、代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)による代償性肝硬変(ステージ4 線維化)患者181名に対するefruxiferminの有効性・安全性を評価する第2b相RCTを実施した(対照:プラセボ)。
一次アウトカムは、36週時点でのMASH悪化を伴わない線維化ステージ1段階以上の改善であった。
結論
Efruxiferminの一次アウトカム効果を認めなかった[プラセボ13% vs. efruxifermin 28mg18%、50mg19%]。しかし、96週目では、50mg使用でプラセボに対し、有意な改善傾向がみられた(差16%ポイント)。消化器系の有害事象が実薬群で多かったが、大部分は中等度以下であった。
評価
Akero Therapeutics創薬のfirst-in-class薬で、一次アウトカム効果は認められなかったが、長期高用量使用で線維化抑制効果をみせ、第3相への進行が正当化された。ここで示唆された糖・脂質代謝への好影響には支持結果があり(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7659583/)、別建てで臨床試験が行われることになろう。