HIV感染小児の二次ARTでは、TAF+エムトリシタビンがバックボーン
Second-Line Antiretroviral Therapy for Children Living with HIV in Africa
背景
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染小児の二次治療における抗レトロウイルス療法(ART)の最適選択肢は。
イギリスUniversity College LondonのBamfordら(CHAPAS-4)は、多因子非盲検試験により、一次治療不応のHIV感染児919名を、テノホビル アラフェナミドフマル酸塩(TAF)+エムトリシタビンまたは標準治療をバックボーンとし、ドルテグラビル、リトナビルブースト ダルナビル、リトナビルブースト アタザナビル、リトナビルブースト ロピナビルのいずれかをアンカー薬とする二次治療に割り付けた(ベースラインウイルス量中央値は17,573コピー/mL)。
一次エンドポイントは、96週のウイルス量<400コピー/mLであった。
結論
TAF+エムトリシタビンの標準治療に対する一次エンドポイント優越性を認めた[ウイルス量400コピー/mL未満の割合の差(補正後)6.3%ポイント]。ドルテグラビルはブースト ロピナビル/アタザナビル統合解析で優越性を示したが、ブースト ダルナビルは示さなかった。ブースト アタザナビルはブースト ロピナビルに対し非劣性であった。死亡は1名で、重篤有害事象は29名(3.2%)に発生したが、群間差はなかった。
評価
この主題に関してはすでにガイドラインがあるが、最大規模の新規試験により、TAF+エムトリシタビンが従来のNRTIバックボーンに優ること、ドルテグラビルが最適の二次アンカー薬であること、プロテアーゼ阻害薬の選択には幅がありうること、を示した。今後の薬剤開発とガイドライン改良に直接インパクトを与える研究である。