メポリズマブは好酸球性COPDにも使える:MATINEE試験
Mepolizumab to Prevent Exacerbations of COPD with an Eosinophilic Phenotype
背景
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の2〜4割には、好酸球性炎症がみられる。
イギリスUniversity of OxfordのPavordら(MATINEE)は、3剤併用吸入療法下で増悪歴があり、血中好酸球数300/μL以上のCOPD患者804名を、IL-5 標的化薬メポリズマブ投与群とプラセボ群に割り付ける第3相RCTを行った(4週毎52〜104週間)。
一次エンドポイントは、COPDの中等〜重度増悪の年間発生率であった。
結論
メポリズマブの一次エンドポイント効果を認めた[0.80件 vs. 1.01件/年、率比 0.79)]。初回の中等〜重度増悪までの期間もメポリズマブ群で有意に長かった(HR 0.77)。QOL・症状指標に群間差はなく、有害事象の発現率は両群同等であった。
評価
GSK薬で、すでに好酸球性喘息等の好酸球性疾患に使われている。好酸球増多のCOPD患者への有効性は首肯され、FDAは最近この追加適応を承認した。年間の重度増悪イベント数や気管支拡張前FEV 1への改善も報告されているが、QOLへの効果がみられていないことは制約である。