気管支拡張症に新規DPP-1阻害薬brensocatib登場:ASPEN試験
Phase 3 Trial of the DPP-1 Inhibitor Brensocatib in Bronchiectasis
背景
Brensocatibは、新規好中球セリンプロテアーゼ標的化DPP-1阻害薬で、気管支拡張症における好中球性炎症を抑制する、とされる。
イギリスNinewells Hospital and Medical SchoolのChalmersら(ASPEN)は、気管支拡張症患者1,721名を、brensocatib 10 mg群、25 mg群、プラセボ群に割り付ける第3相RCTを行った。
一次エンドポイントは、52週における呼吸器症状増悪発生率であった。
結論
Brensocatibの一次エンドポイント効果を認めた[呼吸器症状増悪の年間発生率はbrensocatib10 mg群で1.02、プラセボ群1.29であった(率比 0.79)]。初回増悪までの期間のハザード比は、10 mg群で0.81、52週時点の無増悪維持患者の割合は、10 mg群で率比1.20、52週時点のFEV1減少量のプラセボ群との差は10 mg群で11 mLであった。実薬群で過角化の発現率が高かったが、他の有害事象は群間同等であった。
評価
Insmed Incorporatedによるfirst-in-class薬で、気管支拡張症に対するFDA承認薬が無いなか、5大陸の気管支拡張症患者を対象に実施された大規模国際臨床試験により、初めて有効性を実証した。有望な新しい治療法であり、気管支拡張症に対する初のFDA承認治療法となろう。