再発性多発性硬化症で、tolebrutinibがteriflunomideと対決試験:GEMINI 1・2
Tolebrutinib versus Teriflunomide in Relapsing Multiple Sclerosis
背景
経口ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬tolebrutinibの再発性多発性硬化症(RMS)に対する有効性と安全性は、既存薬に優るか。
カナダSt. Michael’s HospitalのOhら(GEMINI 1・GEMINI 2)は、RMS患者(GEMINI 1: 974名、GEMINI 2: 899名)を対象として、同薬の効果・安全性をteriflunomideと比較する第3相RCTを行った。
一次アウトカムは、年間再発率(ARR)、追跡期間中央値は139週であった。
結論
Tolebrutinibとteriflunomideとの間に一次アウトカムの有意差を認めなかった[GEMINI 1で0.13 vs. 0.12、GEMINI 2で各0.11]。
6ヵ月以上の障害悪化率は、tolebrutinib群8.3%、teriflunomide群11.3%(HR 0.71)だった。有害事象に群間差はなかったが、点状出血や過多月経はtolebrutinib群が多かった。
評価
NEJMは、非再発性二次進行性多発性硬化症(nrSPMS)においてtolebrutinibがプラセボに優るとした第3相HERCULES結果を併載している(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2415988)。GEMINI 1/2では代表的既存薬への優越性が示されず、承認は確実であるものの、ブレークスルーとはなっていない。より長期の追跡により、差が見られるかが検討されることとなる。