膝OAへのヨガ、筋力強化運動に非劣性
Yoga or Strengthening Exercise for Knee Osteoarthritis: A Randomized Clinical Trial
背景
変形性関節症(OA)患者の膝痛軽減に対するヨガと筋力強化運動の優劣は。
オーストラリアUniversity of TasmaniaのAntonyらは、視覚アナログスケール(VAS)で膝痛レベルが40以上で40歳以上の膝OA患者117名をヨガ群と筋力強化運動群に割り付け、これを検証するRCTを行った。両群とも、12週間、週2回の監督下セッションと週1回の自宅セッションを実施し、13〜24週は週3回の監督なしの在宅セッションを実施した。
一次アウトカムは、12週間の視覚的アナログスケール(VAS)の群間差である。
結論
両群間に統計的有意差は認められず、ヨガは筋力強化運動に対して非劣性であった。二次アウトカムでは、ヨガ群で膝症状・QOL・うつに若干の改善がみられた。有害事象は両群同等で、軽度であった。
評価
OAに対するヨガの有効性に関してはすでに系統レビュー・メタアナリシスがあるが、エビデンスレベルは低い(https://link.springer.com/article/10.1007/s11926-019-0846-5)。この研究はヨガと筋力トレーニングを直接比較した初めての中規模RCTで、一応の非劣性を示した。すでに臨床ガイドラインで膝OAの疼痛緩和にヨガが推奨されることも多く、さらなる大規模検証により、ヨガが代替・補完的運動オプションとして確立される可能性がある。