非貧血性鉄欠乏症女性の運動パフォーマンスを鉄剤静脈内投与で改善する:IRONWOMAN試験
Effect of intravenous iron therapy on exercise performance, fatigue scores and mood states in iron-deficient recreationally active females of reproductive age: a double-blind, randomised control trial (IRONWOMAN Trial)

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
British Journal of Sports Medicine
年月
March 2025
Online first
開始ページ
Online first

背景

運動をする女性に非貧血性鉄欠乏症(NAID)が多くみられるが、鉄剤の静脈内投与のパフォーマンスへの影響は。
オーストラリアThe University of Western AustraliaのDuganら(IRONWOMAN)は、レクリエーション活動に積極的な生殖年齢のNAID女性26名を鉄剤の静脈内投与群とプラセボ群に割り付け、介入前後の運動パフォーマンス・血液学検査・疲労レベル・気分状態・QOLの変化を評価した。

結論

介入により、血清フェリチン・血清鉄・トランスフェリン飽和度が有意に改善したが、個人差が大きく、反応は大きく異なった。群間の最高酸素摂取量(VO2Peak)・乳酸閾値・ヘモグロビン量には差がなかった。ランニングエコノミーは介入群でベースラインから4週間で改善し、持続した。疲労スコアは4週間後、介入群では改善したが、プラセボ群では改善しなかった。気分状態とQOLは、両群で変化しなかった。

評価

生殖年齢女性の3人に1人は月経困難症があり、半数が鉄欠乏性貧血と言われているが、検査プログラムや支援がない。NAID女性への鉄剤の静脈内投与が運動能力・運動パフォーマンスを改善することをRCTで示した。未だ小規模パイロット研究であり、大規模試験により、鉄補給の基準やタイミングをさらに検証し、適切な介入構築に繋げる必要がある。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy