鼻茸を伴う重症慢性副鼻腔炎にテゼペルマブ:WAYPOINT
Tezepelumab in Adults with Severe Chronic Rhinosinusitis with Nasal Polyps
背景
重度・コントロール不良の、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(CRSwNP)成人に対するテゼペルマブの有効性と安全性は。
アメリカEastern Virginia Medical SchoolのHanら(WAYPOINT)は、標準治療(点鼻ステロイド[INCS])でコントロール不良の重症CRSwNP成人患者203名を、テゼペルマブまたはプラセボを52週間4週間毎に皮下投与する群に割り付ける第3相RCTを行った。一次エンドポイントは、52週目における総合鼻茸スコアと鼻閉スコアのベースラインからの変化であった。
結論
テゼペルマブの一次エンドポイント効果を認めた[プラセボと比較して総合鼻茸スコアを平均−2.07点、鼻閉スコアを−1.03点改善]。テゼペルマブは、嗅覚喪失スコア(プラセボとの平均差、−1.00)、副鼻腔アウトカムテスト(SNOT-22)スコア(−27.26)、Lund-Mackayスコア(−5.72)、および合計症状スコア(−6.89)を有意に改善した。
テゼペルマブ治療により、その後の鼻茸手術(0.5% vs. 22.1%)と全身性コルチコステロイド投与(5.2% vs. 18.3%)も大幅に減少した。
評価
すでに喘息治療で地歩を確立している同薬だが、CRSwNPと喘息の合併患者への有益性結果に基づくRCTにより、有効性・安全性を示した。承認は確実だが、CRSwNPにはすでに、デュピルマブ・オマリズマブ・メポリズマブが承認されている。著者らはテゼペルマブが優れているようだとしており、対決試験も考えられる。