リファンピン耐性フルオロキノロン感受性結核に対する新標準経口療法:endTB
Oral Regimens for Rifampin-Resistant, Fluoroquinolone-Susceptible Tuberculosis
背景
世界では、毎年約41万人がリファンピシン耐性結核に罹患していると推定されているが、治療率は40%、治療成功率はその65%に留まっている。
アメリカHarvard Medical SchoolのMitnickら(endTB)は、フルオロキノロン感受性リファンピン耐性結核におけるより短期間で注射を必要としない薬剤の組み合わせを検討するため、サハラ以南アフリカ7ヵ国の患者754名を対象に、ベダキリン(B)・デラマニド(D)・リネゾリド(L)・レボフロキサシン(Lfx)/モキシフロキサシン(M)・クロファジミン(C)・ピラジナミド(Z)のさまざまな組合せの9ヵ月間の経口レジメン5種を標準治療と比較する第3相非盲検非劣性RCTを行った。
一次エンドポイントは、73週目における良好転帰であった。
結論
ITT集団標準治療群での80.7%の良好転帰に対し、非劣性が示された新規レジメンは、BCLLfxZ・BLMZ・BDLLfxZ・DCMZで、標準治療と比較したリスク差は各9.8・8.3・4.6・2.5%であった。per-protocol集団ではDCMZの非劣性は示されなかった。グレード3以上の有害事象を呈した参加者の割合は、全レジメンで同様であった。グレード3以上の肝毒性イベントは、参加者全体の11.7%、標準治療群の7.1%に発生した。
評価
リファンピシン耐性結核に対しては、すでにSTREAM 2とTB-PRACTECALが、ベダキリンベースの経口レジメン戦略を試しており、ここでもBCLLfxZ・BLMZ・BDLLfxZが現行標準に対する非劣性を示した。急速に新標準として普及するとみられるが、唯一の懸念は肝毒性である。なお、endTBには、開始後FDAに緊急承認されたプレトマニド(pretomanid)は、含まれていない。