若年性特発性関節炎関連ぶどう膜炎へのアダリムマブは、コントロール後は中止できるのか:ADJUST試験
Stopping of adalimumab in juvenile idiopathic arthritis-associated uveitis (ADJUST): a multicentre, double-masked, randomised controlled trial
背景
若年性特発性関節炎(JIA)によるぶどう膜炎に対するアダリムマブ(ADA: 完全ヒト型抗腫瘍壊死因子αモノクローナル抗体)の有効性が明らかになっているが、コントロール達成後にADAを中止して良いか。
アメリカUniversity of California San FranciscoのAcharyaらは、ADAで1年間以上症状コントロールされた2歳以上のJIA関連ぶどう膜炎患者87名を対象として、これを検証するRCTを行った。患者は、48週目までADAを継続する群とプラセボに置き換える群に割り付けた。
一次エンドポイントは、治療失敗(ぶどう膜炎または関節炎の再発)までの期間である(治療失敗がなかった場合は48週目で評価)。
結論
一次エンドポイントは、ADA継続群の14%、プラセボ群の68%で発生した(HR 8.7)。プラセボ群における治療失敗までの平均期間は119日であった。ADA再開後のプラセボ群における炎症の持続的な制御の再確立までの平均期間は105日であった。
非重篤有害事象は、ADA継続群で226件(人年あたり7.5件)、プラセボ群で115件(人年あたり6.8件)で発生した。重篤有害事象はADA群のみで4件報告された。
評価
重要なテーマに関して初めて行われた多施設RCTである。ADA中止がぶどう膜炎・関節炎の再発リスクを激増させることを示して、「2年間コントロールできれば治療中止を試みることができる」という現在のガイドライン推奨に警鐘を鳴らした。ただし、中止後再発しても同薬を再開すれば良い、ともしており、ガイドラインを完全に否定したわけではない。