毎日の歩数が多いほどうつ症状が少ない:メタアナリシスで確認
Daily Step Count and Depression in Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
JAMA Network Open
年月
December 2024
7
開始ページ
e2451208

背景

ウェアラブル デバイスの普及に伴い、毎日の歩数モニタリングがより実現可能になっているが、客観的に測定された歩数と、うつの発症リスクとの関連は。
スペインUniversidad de Castilla-La ManchaのLopezらは、成人96,173名を対象とした33研究(横断研究27件、縦断研究6件[パネル研究3件、前向研究3件])の系統レビューとメタアナリシスを行った。

結論

1日の歩数とうつ症状の間には逆相関がみられた。横断研究からの統合標準化平均差(SMD)では、1日5,000歩未満と比較して、1日10,000歩以上、7,500〜9,999歩、5,000〜7,499歩は、うつ症状の減少と有意に関連していた(それぞれSMD、−0.26、−0.27、−0.17)。前向コホート研究からの統合推定値に基づくと、1日7,000歩以上の参加者は、1日7,000歩未満の参加者と比較して、うつ病のリスクが低かった(リスク比 0.69)。1日1,000歩の増加でうつ病のリスク低下がみられた(リスク比 0.91)。

評価

2022年のメタアナリシスでは、公衆衛生の推奨レベルを下回るレベルであっても、身体活動を活発に行うことで精神衛生に利益が得られることが示されている(https://jamanetwork.com/journals/jamapsychiatry/fullarticle/2790780)。ウォーキングなどの軽度運動は、うつ病リスクを軽減するのに十分な身体活動である、という通説を確認したメタアナリシスである。
著者らは、「1日の歩数を客観的に測定することは、包括的かつ総合的な公衆衛生へのアプローチとなりうる」としている。

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取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy