痩せるより健康である方が良い：減量よりも運動
Cardiorespiratory fitness, body mass index and mortality: a systematic review and meta-analysis
背景
心肺フィットネス（CRF）とBMIが、心血管疾患（CVD）および全死因の死亡リスクに及ぼす影響は。
アメリカUniversity of VirginiaのAngadiらは、これを検討するため、20件の前向コホート研究（n=398,716）の系統レビュー・メタアナリシスを実施した。対照グループを正常体重・健康群とし、正常体重・不健康、過体重・不健康/健康、肥満・不健康/健康の3群と比較した。
結論
過体重・健康 群（CVD HR 1.50、全死因死亡 HR 0.96）および肥満・健康群（1.62、1.11）では、死亡リスクに統計的有意差はなかった。正常体重・不健康群（2.04、1.92）、過体重・不健康群（2.58、1.82）、肥満・不健康群（3.35、2.04）では、死亡リスクが2〜3倍高かった。
CRFは、CVDおよび全死因死亡リスクの強力な予測因子で、過体重・肥満に関連するリスクを軽減した。
評価
減量プログラムや新規減量薬がもてはやされる中、「体重を減らすよりフィットネスを増す方が良い」というもっともな結論を示した。著者らは、「運動は単なるカロリー消費ではなく、全体的健康を最適化する優れた『薬』であり、あらゆる体格の人々の心血管疾患や全死因死亡のリスクを大幅に減らすことができる」としている。
