オンラインヨガプログラムで慢性腰痛を軽減
Effectiveness of Virtual Yoga for Chronic Low Back Pain: A Randomized Clinical Trial
背景
慢性腰痛(CLBP)には、運動療法などの非薬物療法が重要だが、ガイドラインと臨床現場での実施の間にはギャップがあり、低コストで安全かつ利便性の高い方法が求められている。
アメリカCleveland ClinicのSaperらは、中等度の腰痛および機能障害のある参加者140名を対象に、12週間のオンラインヨガの効果を検証するRCTを行った(対照:待機リスト[研究期間後にオンラインヨガを提案])。介入群では、60分間のライブ ストリーミングによるハタ ヨガのグループレッスンを実施した。
一次アウトカムは、11段階のNumeric Rating Scale(NRS)による前週の平均疼痛強度と、12週目の腰痛特異的QOL尺度(修正RMDQ)評価である。
結論
介入の一次アウトカム効果を認めた(平均疼痛強度 −1.5ポイント、平均RMDQ −2.8ポイント)。24週目には、痛み・RMDQスコアも改善した。12週目には、介入群は対照群よりも、過去1週間の鎮痛剤の使用が21.4%少なく、24週目には、21.2%ポイント少なかった。睡眠の質も介入群でより改善した。
評価
軽度〜中等度の慢性腰痛に対するヨガは、理学療法に対し非劣性であることが分かっている(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28631003/)。オンラインヨガプログラムは、アクセス性・コスト・患者選好の面で、慢性腰痛患者にとって合理的な選択となりえる。著者らは、より大規模・多様な患者集団を対象に、この研究をさらに展開する、としている。