半月板損傷に伴う膝OAへのAPMに生物学的製剤BMAC追加は必要なし
A Prospective, Randomized, Double-Blind Clinical Trial to Investigate the Efficacy of Autologous Bone Marrow Aspirate Concentrate During Arthroscopic Meniscectomy in Patients With Early Knee Osteoarthritis
背景
半月板損傷に伴う変形性膝関節症(OA)患者に対する関節鏡視下半月板部分切除術(APM)への、追加的Bone Marrow Aspirate Concentrate(BMAC)注入の有効性は。
アメリカRush UniversityのColeらは、半月板損傷と、それに伴う軽度の膝OAの症状によりAPMを受ける患者95名を、自己BMAC注入群と非投与群に割り付け、これを検証するRCTを行った。
一次エンドポイントは、術後1年のIKDCスコアである。
結論
患者特性・術中変数・同時処置・術前PROMスコア・術前放射線画像所見に群間差はなかった。一次エンドポイントの群間有意差を認めなかった。
二次PROMスコアも群間有意差はなかったが、術後1年における、KOOS Sport(100.0% vs. 80.0%)およびKOOS Symptoms(92.3% vs. 68.0%)の臨床的有意な最小差異の達成率は、BMAC群が対照群よりも高かった。VR-12のメンタルスコアを除くすべてのPROMは、両群とも術後全時点でベースラインと比較して有意な改善があった。
評価
これまでの研究でBMAC関節注入の安全性と患者報告アウトカムの改善が報告されており、アメリカでは膝OAの最良のオプションの一つとされていた。しかしRCTはなく、これが初めてのRCTであった。BMAC関節注入への積極的エビデンスは得られず、効果はマージナルといえる。術後MSCs注入に関するRCTも最近行われており、半月板容積の増加と注入後の膝関節痛の改善が報告されている(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24430407/)。