半月板損傷に伴う膝OAへのAPMに生物学的製剤BMAC追加は必要なし
A Prospective, Randomized, Double-Blind Clinical Trial to Investigate the Efficacy of Autologous Bone Marrow Aspirate Concentrate During Arthroscopic Meniscectomy in Patients With Early Knee Osteoarthritis

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
The American Journal of Sports Medicine
年月
October 2024
52
開始ページ
2963

背景

半月板損傷に伴う変形性膝関節症(OA)患者に対する関節鏡視下半月板部分切除術(APM)への、追加的Bone Marrow Aspirate Concentrate(BMAC)注入の有効性は。
アメリカRush UniversityのColeらは、半月板損傷と、それに伴う軽度の膝OAの症状によりAPMを受ける患者95名を、自己BMAC注入群と非投与群に割り付け、これを検証するRCTを行った。
一次エンドポイントは、術後1年のIKDCスコアである。

結論

患者特性・術中変数・同時処置・術前PROMスコア・術前放射線画像所見に群間差はなかった。一次エンドポイントの群間有意差を認めなかった。
二次PROMスコアも群間有意差はなかったが、術後1年における、KOOS Sport(100.0% vs. 80.0%)およびKOOS Symptoms(92.3% vs. 68.0%)の臨床的有意な最小差異の達成率は、BMAC群が対照群よりも高かった。VR-12のメンタルスコアを除くすべてのPROMは、両群とも術後全時点でベースラインと比較して有意な改善があった。

評価

これまでの研究でBMAC関節注入の安全性と患者報告アウトカムの改善が報告されており、アメリカでは膝OAの最良のオプションの一つとされていた。しかしRCTはなく、これが初めてのRCTであった。BMAC関節注入への積極的エビデンスは得られず、効果はマージナルといえる。術後MSCs注入に関するRCTも最近行われており、半月板容積の増加と注入後の膝関節痛の改善が報告されている(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24430407/)。

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取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy