頚椎症性神経根症には後方手術が前方手術か:FACET2年結果
Posterior Cervical Foraminotomy Compared with Anterior Cervical Discectomy with Fusion for Cervical Radiculopathy: Two-Year Results of the FACET Randomized Noninferiority Study
背景
頚椎症性神経根症に対する後方手術(Posterior Cervical Foraminotomy: PCF)または前方手術(Anterior Cervical Discectomy with Fusion: ACDF)の選択については、結論がない。
オランダUniversity of GroningenのSouzaら(FACET)は、同試験で同国9病院でPCFまたはACDFに割り付けられた頚椎症性神経根症(single-level)患者236名の追跡期間2年の結果を報告している。一次アウトカムは、Odom基準に基づく手術成功率と腕の疼痛緩和である。
結論
PCFの非劣性が示された。手術成功率は、PCFが81%、ACDFが74%であった。腕の疼痛の群間差は−2.7で、腕の疼痛の緩和の群間差は1.5点であった。二次アウトカムの手術関連の重篤有害事象は、PCFの8%とACDFの9%で発生した。
評価
PCFがACDFに非劣性という結果であった2022年のFACET1年結果(https://jamanetwork.com/journals/jamaneurology/fullarticle/2798965)を確認した2年結果である。一応PCFで良い、という方向性を出したが、外科医も患者も盲検化されておらず、ACDFに対する外科医の既存の好みが排除できないため、強力なエビデンスではない。


