Crinecerfontは成人先天性副腎過形成症患者にも有益:CAHtalyst Adult
Phase 3 Trial of Crinecerfont in Adult Congenital Adrenal Hyperplasia
背景
成人古典型先天性副腎過形成症(CAH)患者に対する新規経口コルチコトロピン放出因子1型受容体拮抗薬crinecerfontの効果・安全性は。
アメリカ University of MichiganのAuchusら(CAHtalyst Adult)は、同患者182名を対象として、これを検証する第3相RCTを行った(対照:プラセボ)。グルココルチコイド投与量を4週間一定に保ち、その後20週間かけて減量、副腎アンドロステンジオンレベルの制御(ベースラインの120%以下/基準範囲内)を維持する最低用量を達成するよう最適化した。
一次エンドポイントは、アンドロステンジオンレベル制御維持状態におけるグルココルチコイド1日量のベースラインから24週目までの変化(%)である。
結論
Crinecerfontの一次エンドポイント効果を認め(-27.3% vs. -10.3%)、実薬群患者の63%で、生理的グルココルチコイド用量が達成された(対照:18%)。4週時で、crinecerfont群ではアンドロステンジオンレベルが低下したが(-299 ng/dL)、プラセボ群では上昇した(45.5 ng/dL)。両群で高頻度の有害事象は、倦怠感と頭痛であった。
評価
NEJMは、平行して行われたCAHtalyst第3相小児データも併載している(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2404655)。両試験結果は本質的に同等で、FDA承認は確実である。患者は依然グルココルチコイド補充が必要だが、同薬により補充量が大幅に減少し、長期投与による合併症発現が抑制される。