エリートランナーは長寿??
Outrunning the grim reaper: longevity of the first 200 sub-4 min mile male runners
背景
適度な運動を定期的に行うことは、健康的老化(ヘルシーエイジング)にかかせないが、「極端な」レベルの運動は健康を害し、寿命に悪影響を与えるのではないか。
カナダUniversity of AlbertaのHaykowskyらは、Sub-4 Alphabetic Registerを用いて、1マイルを4分未満で走ったアスリート200名(すべて男性)を抽出し、これらのランナーの寿命を一般人口と比較する後向コホート研究を行った。
結論
60名が死亡し、140名が生存していた。1マイル4分未満を達成したランナーは、予測寿命より平均4.7年長く生きた。達成した年代(1950年代、1960年代、1970年代)を考慮すると、寿命延長効果はそれぞれ9.2年(n=22)、5.5年(n=88)、2.9年(n=90)であった。
評価
すでに12年前のレビューが、「結論は出ていない」としていた問題である(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3395188/)。常識的には極度の持久力運動は寿命に有害であるようにもみえるが、200名を対象としたここでの後向研究は、「有益」という結論を導いた。1マイルを4分未満で走ることは極限の運動で、身体を生理的限界まで追い込む。トップクラスのランナーは、この数年の調査では、1マイルを4分未満で走るためには一般的に1週75〜105マイルを走り、そのうち約20%を非常な高強度で走っているという。それがほんとうに寿命を延ばすのかどうか、RCTは困難であるため、さらなる大規模調査がほしいところである。