新規抗CD38モノクローナル抗体による免疫性血小板減少症治療、第3相へ
A Novel Anti-CD38 Monoclonal Antibody for Treating Immune Thrombocytopenia
背景
CD38モノクローナル抗体CM313による治療は、免疫性血小板減少症(ITP)に安全・有効か。
中国Peking Union Medical CollegeのZhangらは、成人ITP患者22名を対象として、これを検証する第1・2相非盲検試験を行った(8週間)。一次エンドポイントは、有害事象およびCM313初回投与後8週間で血小板数が2回以上連続で50×109/L以上であること、である。患者末梢血免疫細胞の状態およびITPモデルマウスにおける単核食細胞系の変化も観察した。
結論
参加者22名の95%が、投与期間中に2回以上連続で血小板数50×109/L以上を達成し、累積奏効期間中央値は23週であった。閾値への最初の到達までの期間中央値は1週であった。高頻度有害事象は注入反応(32%)と上気道感染症(32%)であった。CD38標的療法後には、CD56dimCD16陽性NK細胞の割合、末梢血単球におけるCD32bの発現、受動的ITPモデルマウス脾臓でのマクロファージ数はすべて減少した。
評価
Keymed Biosciencesの創薬で、中国NMPAによるIND承認を受けた初の国産抗CD38抗体である。同抗体はすでにdaratumumabが多発性骨髄腫で汎用されているが、ITPへの応用は初めてである。CM313は、daratumumabを追って多発性骨髄腫・SLEでの有望性も示している。