若い男性サッカー選手に対する新しい障害予防プログラムFUNBALLは有効
Efficacy of a new injury prevention programme (FUNBALL) in young male football (soccer) players: a cluster-randomised controlled trial
背景
サッカー関連障害のリスク軽減のための予防運動プログラムが多数存在するが、未だ有力なものは存在しない。
ドイツSaarland UniversityのObertincaらは、多要素運動ベース障害予防プログラムFUNBALLを開発し、55チームの13〜19歳のサッカー選手を対象として、その有効性を評価するクラスターRCTを行った(追跡期間:1シーズン[2021/8〜2022/5])。
介入群は、通常のウォームアップ後に少なくとも週2回FUNBALLプログラムを実行し、対照群は通常のトレーニングルーチンに従った。一次エンドポイントは、サッカー関連障害の総数である。
結論
319件の障害が発生した(介入群132件、対照群187件)。両群間の発生率比(IRR)は、全体件数(一次エンドポイント)0.69、大腿部障害0.62、中等度および重度の休業障害各0.65・0.51で、介入群での発生率が有意に低かった。
評価
FUNBALLプログラム(紹介動画:https://youtu.be/mRXXwWzTqIo?si=wS7AUOn4Ptktcr8I)が、週2回のみ通常のウォームアップ後の実行で有効となる簡明な障害予防法であることを示した。既存プログラムではFIFA11+があるが、有意効果を示せていない(http://dx.doi.org/10.1136/bmj.a2469, http://dx.doi.org/10.1371/journal.pone.0251839)。他の年齢層(シニアおよびベテラン選手)や女性サッカー選手を対象とした有用性検証の拡大が期待される。