PTが変形性膝関節症患者の減量を支援する:POWER試験
Alternative models to support weight loss in chronic musculoskeletal conditions: effectiveness of a physiotherapist-delivered intensive diet programme for knee osteoarthritis, the POWER randomised controlled trial
背景
理学療法士(PT)は、過体重・肥満の変形性膝関節症(OA)患者に効果的な減量介入を行うことができるか。
オーストラリアUniversity of MelbourneのAllisonら(POWER)は、BMI 27以上のOA患者88名を対象に、PTによる運動補助として1日2食の超低エネルギー食(VLED)提供の有効性を検証するRCTを行った(対照:運動のみ)。いずれの介入でも、非盲検のPTが6ヵ月間にわたって6回のビデオ会議セッションを行った。一次アウトカムは、6ヵ月後の体重変化率である。
結論
PTによる食事介入の一次アウトカム効果を認めた(介入群で平均8.1%の体重減少が認められたのに対し、対照群では1.0%であった。介入群の76%が5%以上の体重減少を達成し、37%が10%以上の体重減少を達成したのに対し、対照群ではそれぞれ12%と0%であった)。全体的な膝関節の改善を報告した参加者は、介入群71.1%、対照群47.6%であった。重篤有害事象は報告されなかった。
評価
中規模RCTにより、PTが運動指導に加え、VLEDを提供する、という簡明な減量指導が有効であることを示した。肥満はOAの直接的リスクであり、ここでの結果は、OAと肥満に対する今後のケアモデルに影響を与える可能性がある。