元受刑者は釈放後一週間以内に死亡するリスクが高い
Rates and causes of death after release from incarceration among 1,471,526 people in eight high-income and middle-income countries: an individual participant data meta-analysis
背景
釈放後の元受刑者では全原因死亡率が上昇することが報告されているが、死亡の原因や時期などの詳細なデータは知られていない。
オーストラリアUniversity of MelbourneのBorschmannらは、Mortality After Release from Incarceration Consortium studyのデータから、1980年から2018年にかけての、世界8ヵ国の出所者(n=1,471,526、10,534,441人/年)のデータを分析し、釈放後の死亡アウトカムを調査した。
結論
75,427名の死亡が記録された。
未調整の全原因死亡率は、釈放後1週間が最も多く(10万人年あたり1,612件)、この期間の原因別死亡率は、アルコール中毒・その他の薬物中毒(657件)、自殺(135件)、心血管疾患(71件)の順に高かった。
原因別死亡率には、地域や釈放からの期間によって大きな変動があった。全原因死亡率は、男女で同等であり、高齢層で高かった。
評価
出所者の死亡は、釈放直後が最も高く、アルコールや薬物の摂取、自殺が主たる原因となっていた。これらの予防可能な死を減らすために、円滑な社会復帰のための支援体制整備が急務であろう。