リハビリ中の脳卒中後疼痛の予後は痛みの質に依存する
Prognosis of Pain after Stroke during Rehabilitation Depends on the Pain Quality
背景
脳卒中後疼痛は重大な問題だが、痛みの質と痛みの予後の関係は。
日本Kio University(畿央大学)のOsumiらは、運動療法ベースのリハビリテーションを受けている脳卒中後疼痛患者85名をNPSI(神経障害性疼痛症状インベントリ)スコアに従ってクラスター化し、脳卒中後12週間における各サブグループの疼痛強度を記録・比較した。
結論
患者は、クラスター1(冷感誘発痛としびれ)・クラスター2(しびれのみ)・クラスター3(圧覚誘発痛)・クラスター4(圧迫感を伴う深部筋痛)の4サブグループに分類された。
横断分析では、サブグループ間で臨床症状が異なり、関節痛・可動域制限・体性感覚障害・アロディニアの有病率に差があった。ベースライン時の痛みの強さは、サブグループ間で有意差はなかった。
縦断解析では、サブグループ間で疼痛強度の予後が異なることが示された。クラスター4の疼痛強度は有意に緩和され、従来の運動ベースのリハビリテーションにより、筋骨格系の疼痛が軽減されることが示された。他方、クラスター1・2患者の疼痛強度は12週間以上持続した。
評価
脳卒中後疼痛の予後が、痛みの質によって異なることを示した初めての論文とみられる。脳卒中後リハビリテーションの個別化につながる所見である。


