慢性膝関節痛に対する遠隔リハビリテーションは、対面に劣らない:PEAK非劣性試験
Telerehabilitation consultations with a physiotherapist for chronic knee pain versus in-person consultations in Australia: the PEAK non-inferiority randomised controlled trial

カテゴリー
整形外科・理学療法、Top Journal
ジャーナル名
The Lancet
年月
March 2024
403
開始ページ
1267

背景

筋骨格系への遠隔リハビリテーションは、対面治療よりも効果が低いのか。
オーストラリアUniversity of MelbourneのHinmanら(PEAK)は、同国27の診療所からプライマリケア理学療法士(PT)を募集し、変形性膝関節症(膝OA)に伴う慢性膝関節痛を有する参加者394名を、15名のPTと診療所ごとに層別化し、対面でのリハビリテーションとビデオ会議による遠隔リハビリテーションに無作為に割り付け、対面とビデオ会議の有効性を比較した。
一次アウトカムは、無作為化後3ヵ月時点の膝関節痛(0〜10の数値評価)と身体機能(Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index:WOMAC評価)である。

結論

遠隔リハビリテーションの対面リハビリテーションに対する一次アウトカム非劣性を認めた(疼痛:平均差 0.16、機能:1.65)。有害事象発生率に差はなく、重篤有害事象はなかった。

評価

コロナパンデミックで盛んになった遠隔リハビリテーションだが、一般に、代替・second bestとみられている(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35074694/)。この試験は、ビデオ会議方式が、やり方によっては対面に劣らない、と示したもので、特に、病院に来なくて良いという、この手法の利点を浮かび上がらせる。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy