多発性硬化症患者への身体活動介入は、疼痛表現型ベースで
Widespread Pain With Nociplastic Features is an Independent Predictor of Low Physical Activity in People with Multiple Sclerosis
背景
多発性硬化症(MS)患者には運動習慣が重要で、専門家による身体活動介入が必要だが、患者の慢性痛の種類により、身体活動介入の難易度は異なる。
アメリカUniversity of MichiganのAbouらは、同患者938名の全国横断調査により、痛みの表現型が身体活動の予測因子となるかを検討した。
結論
慢性疼痛がない患者は、慢性疼痛がある患者より身体活動的であるオッズが2.30倍高かった。また、神経障害性疼痛と侵害受容性疼痛のある患者は、混合性疼痛[神経障害性疼痛/痛覚変調性疼痛を伴う広範囲な疼痛(WPNF)]のある患者より、身体活動的であるオッズが各1.90・1.66倍高かった。
線維筋痛症のWPNF指標スコアが高いことは、身体活動不足の有意な独立予測因子であった(OR 0.93)。
評価
MS患者への身体活動介入を、痛みの表現型に応じて調整すべきこと、その指標としてWPNFが適切であることを提唱する論文で、いずれも新しいコンセプトである。


