多発性硬化症患者への身体活動介入は、疼痛表現型ベースで
Widespread Pain With Nociplastic Features is an Independent Predictor of Low Physical Activity in People with Multiple Sclerosis

カテゴリー
整形外科・理学療法
ジャーナル名
Journal of Pain
年月
February 2024
25
開始ページ
418

背景

多発性硬化症(MS)患者には運動習慣が重要で、専門家による身体活動介入が必要だが、患者の慢性痛の種類により、身体活動介入の難易度は異なる。
アメリカUniversity of MichiganのAbouらは、同患者938名の全国横断調査により、痛みの表現型が身体活動の予測因子となるかを検討した。

結論

慢性疼痛がない患者は、慢性疼痛がある患者より身体活動的であるオッズが2.30倍高かった。また、神経障害性疼痛と侵害受容性疼痛のある患者は、混合性疼痛[神経障害性疼痛/痛覚変調性疼痛を伴う広範囲な疼痛(WPNF)]のある患者より、身体活動的であるオッズが各1.90・1.66倍高かった。
線維筋痛症のWPNF指標スコアが高いことは、身体活動不足の有意な独立予測因子であった(OR 0.93)。

評価

MS患者への身体活動介入を、痛みの表現型に応じて調整すべきこと、その指標としてWPNFが適切であることを提唱する論文で、いずれも新しいコンセプトである。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(整形外科・理学療法)

Physical Therapy