運動の生存ベネフィットは女性の方が大きい?
Sex Differences in Association of Physical Activity With All-Cause and Cardiovascular Mortality
背景
心血管疾患や全死因による死亡リスクを軽減するために身体活動(PA)が広く推奨されているが、PAのジェンダー差は。
アメリカCedars-Sinai Medical CenterのChengらは、余暇身体活動(LTPA)に関する調査データを提供した同国の成人412,413名(女性55%)を対象とする前向研究を行い、全原因死亡・心血管死亡と身体活動指標(頻度・継続時間・強度・種類)のジェンダー特異的な関連を検討した。
結論
4,911,178人年の追跡期間中に、心血管死亡11,670名を含め39,935名(全原因死亡)が死亡した。不活動と比較して定期的なLTPAは、女性・男性とも全原因死亡リスクの低下と関連していた(各HR 0.76・0.85)。
男性の場合、最大生存ベネフィットは、中等度〜強度のPAを週300分行うことで達成された(HR 0.81)。他方、女性は週140分で同様のベネフィットを達成し、その後300分/週以上で最大生存ベネフィットに達した(HR 0.76)。
心血管死についても同様のジェンダー特異的所見がみられた。この結果は、有酸素活動と筋力強化活動のすべての測定値にわたって一貫していた。
評価
この問題に関する最大研究により、女性は男性より短時間のLTPAで生存ベネフィットが得られる、という印象的な結論を導いた。著者らは、女性は伝統的に家庭内で非常に忙しいため、基礎PA量が多く、LTPAの時間が少なくても良いのではないか、と示唆している。


