20年間の研究で孤発性アルツハイマー病のバイオマーカー変化を追跡
Biomarker Changes during 20 Years Preceding Alzheimer’s Disease
背景
孤発性アルツハイマー病(AD)の発症前診断は、重要なテーマである。
中国Capital Medical UniversityのJiaらは、2000年1月〜2020年12月に、中国認知機能・加齢研究(China COAST)参加者(参加時認知機能正常)を対象に、アルツハイマー病を発症した参加者(AD群)を、認知機能正常を維持した参加者(正常群)とマッチさせたコホート内ケース・マッチドコントロール研究(n=各648)を行い、経時的なADバイオマーカーの変化を検討した。
結論
追跡期間中央値は19.9年であった。AD群の髄液・画像バイオマーカー値に関し、診断前の以下の時点で先行変化がみられた。
アミロイドβ(Aβ)42は18年前、Aβ42/Aβ40比は14年前、リン酸化タウ181は11年前、総タウは10年前、ニューロフィラメント軽鎖は9年前、海馬体積は8年前、認知機能低下は6年前。
認知障害の進行に伴うAD群の髄液中バイオマーカー値の変化は、最初は急速で、その後緩徐になった。
評価
先行研究は多いが、これは最大・最長とみられ、NEJM Editorialも最大級の賛辞を贈っている。脳脊髄液Aβ42が最先行指標である、という見方を最終的に確認するもので、以降の研究の血液バイオマーカーへの移行を促すものともいえる。


