青年期男性の身体フィットネスは40年後のアテローム性動脈硬化症を低減する:スウェーデンにおける国家規模研究
Physical fitness in male adolescents and atherosclerosis in middle age: a population-based cohort study
背景
青年期の身体的フィットネス(physical fitness:PF)不良が、その後の心血管疾患リスクであるというデータが多い。
スウェーデンLinkoping UniversityのHenrikssonらは、同国の徴兵レジストリからのPFデータをSwedish CArdioPulmonary bioImage Study(SCAPIS:同国50〜64歳の個人の心肺健康に関する大規模研究)と関連付け、青年期男性のPFと中年の冠動脈および頸動脈アテローム性動脈硬化症との関連を評価する人口ベースのコホート研究を行った(n=8,986, 平均追跡期間38.2年)。
結論
PFは冠動脈CT血管造影法(CCTA)での冠狭窄および冠動脈石灰化(CAC)と逆J字型の関連を示したが、頸動脈プラークとは一貫した関連はなかった。多因子調整後、心肺機能および筋力の最低三分位の青年と比較すると、最高三分位の青年は、重度(50%以上)冠動脈狭窄のオッズが各22%(OR 0.78)・26%(OR 0.74)低かった。最高PF群(高心肺機能・高筋力)は、最低PF群と比較して、重度冠動脈狭窄のORが33%低かった。
評価
北欧らしい国家規模の超長期観察研究であることに加え、これほどの大規模集団をCCTAで追跡した研究は初めてである。青年期の高心肺機能と高筋力の組み合わせが、40年後の重度冠動脈狭窄のオッズを下げることを説得力を持って示した。