再入院衡平性指標が示す、アメリカ医療の構造的人種差別
Measuring Equity in Readmission as a Distinct Assessment of Hospital Performance
背景
アメリカでは病院評価に、excess readmission ratio(ERR)等の再入院率指標が重視されるようになっている。
アメリカColumbia UniversityのNashらは、全国4,638病院のメディケアデータを用いて、病院間の再入院衡平性尺度(equitable readmissions rate:Centers for Medicare & Medicaid Services:が開発した臨床アウトカムによる衡平性評価指標)を比較する横断研究を行った。
結論
調査対象となった病院中、再入院衡平性が保たれていたのは、保険に関しては17%、人種に関しては30%であった。低コストの病院は保険について、総合的に質の高い病院は人種について、再入院が衡平となる可能性が高かった。
評価
アメリカの病院の圧倒的多数で再入院衡平性が保たれておらず、衡平性の高い病院はもともと、おそらくは保険理由によって、黒人患者を受け入れていない、という現状報告である。著者らは、構造的人種差別がアメリカの医療システムに埋め込まれている、としている。