鍼治療で関節リウマチ患者の脳卒中リスクが40%減？
Effect of acupuncture on ischaemic stroke in patients with rheumatoid arthritis: a nationwide propensity score-matched study
背景
関節リウマチ（RA）患者への鍼治療は、虚血性脳卒中リスクの低減に有益か。
台湾China Medical UniversityのYenらは、台湾National Health Insurance Research Database（NHIRD）のRegistry for Catastrophic Illness Patients Database（RCIPD）における1997〜2010年の新規診断RA患者コホートを対象とする傾向スコアマッチコホート研究を行った（n=23,226)。
対照コホートは、同時期に鍼治療を受けなかった類似特性の患者である。
結論
虚血性脳卒中の累積発生率は、鍼治療群で低かった。不死時間（immortal time：RAの初診から指標日まで）1065日、平均鍼治療回数9.83回で、調整sub hazard ratioは0.57であった。
この効果は、性別・年齢・使用薬・併存疾患と無関係であった。
評価
台湾からの驚くべき報告である。著者らは、因果性は不明等、観察研究の制約を強調しつつ、鍼治療の抗炎症効果が関連したことを示唆している。しかし、”この研究がBMJの査読を通過したことに失望している”（Ernst: University of Exeter）という評言も出ており、大規模RCTなしには受け入れがたい仮説である。
