高精細デジタルマンモグラフィ画像を高速表示画像表示からレポート作成までの一連のワークフローを1台でサポート　マンモグラフィ専用画像診断ワークステーション「AMULET Bellus(アミュレットベラス)」新発売

富士フイルムメディカル株式会社
2013年3月7日

富士フイルム株式会社(社長：中嶋成博)は、高精細なデジタルマンモグラフィ画像を素早く表示し、過去の画像との比較読影を効率的に行うための高速切替表示機能を搭載した、マンモグラフィ専用画像診断ワークステーション「AMULET Bellus(アミュレットベラス)」を、富士フイルムメディカル株式会社(社長：平井治郎)を通じて、平成25年3月7日より発売します。

近年、行政によるがん検診受診率向上に向けた施策の展開により、乳がん検診のマンモグラフィ受診者は年々増加しています。これに伴い、マンモグラフィの画像診断を担う医師1人あたりの診断件数も増加していることから、医師が迅速かつ効率的に画像診断やレポート作成を行える画像診断システムが求められています。

「AMULET Bellus」は、最新GPU(Graphics Processing Unit)を搭載し、大容量のマンモグラフィ画像データを素早く表示します。
また、医師の画像診断および、所見レポート作成をサポートする機能として、聖路加国際病院と共同で開発(*1)したITC(Intelligent Temporal Comparison)技術を用いた、高速切替表示機能を搭載しています。 ITCは、1画面上で2枚の画像の関心領域を自動で位置合わせし交互に繰り返し表示する機能で、左右に現在の画像と過去に撮影した画像の2枚を並べて行う従来の比較読影と比べ、乳房内の変化した部分が認識しやすくなります。所見レポートにつけるシェーマ(*2)は、独自の画像認識技術によって受診者の実際のマンモグラフィ画像から形状を認識して作成することができるので、所見の位置をより正確に他の医師に伝えられるようになりました。

国内トップシェア(*3)を誇る富士フイルムの医用画像情報システム「SYNAPSE」と連携することで(*4)、「AMULET Bellus」の端末で「SYNAPSE」内に保存されている超音波やMRI、CTなどの検査画像を簡便に閲覧することができます。
また、"高精細なマンモグラフィの画像を立体視できる"当社の「リアル3Dマンモグラフィワークステーション」も「AMULET Bellus」シリーズとして、同様の機能を有します。

富士フイルムは今後も独自技術を生かした幅広い製品、サービスの提供を通じて、医療現場の多様なニーズにお応えし、乳がんの早期発見と医療の質の向上に貢献していきます。

*1 本機能は、聖路加国際病院放射線科の角田博子医師、本田聡医師らと共同で開発しました。
*2 医師がカルテを記すときに利用する、身体部位の絵図で、診断した画像の所見位置をマークして使用する。
*3 (株)矢野経済研究所調べ(「2012年版医用画像システム(PACS)・関連機器市場の展望と戦略」)より。
*4 バージョン4.1以上のSYNAPSEと連携が可能です。

1. 品名
AMULET Bellus
(薬事販売名：富士画像診断ワークステーション SMV658型/薬事認証番号：222ABBZX00166000)

2. 発売日
平成25年3月7日

3. 標準ユーザー渡し価格
15,000,000円(税別)

4. 特長

(1) ストレスのない表示スピードで読影をサポート

1.最新GPUを搭載することで大容量の画像データを、1秒以下で瞬時に表示し、待ち時間によるストレスを低減します。
2.富士フイルムの「AMULET」シリーズや「FCR PROFECT CS」で処理された画素サイズ50μmの高精細マンモグラフィ画像を瞬時に表示します(*5)。

(2) 認識技術を使用した新機能で効率的に読影をサポート

1.高速切替表示機能は、1画面上で2枚の画像の関心領域を自動で位置合わせし交互に繰り返し表示する機能で、左右に現在の画像と過去に撮影した画像の2枚を並べて行う従来の比較読影と比べ、乳房内の変化した部分が認識しやすくなります。

▲図1高速切替表示機能

2.撮影した乳房の形状を自動認識し、レポートのシェーマ画像に反映することで、患者ごとに異なる乳房形状がレポート上に作成され、所見の位置をより正確に他医師に伝えることが可能です。

▲図2シェーマの自動作成機能

3.MLO(*6)の大胸筋のエリアと角度を自動認識してマスクするインテリジェントシャッター機能により、関心領域を表示しながら、集中して読影することが可能です。また、CC(*7)では、胸壁に平行なマスクを自動で作成します。

(3) シンプルで柔軟なユーザーインターフェース

1.各種機能の実行は、専用キーパットで操作を行うことが可能です。さらに、マウス操作でも画面上に操作キーを表示できるため、手元に視線を移動することなく読影可能です。
2.サムネイル画像と画像フォーマットを一体化したアイコンで、目的とした画面レイアウトで瞬時に表示できます。

▲図3画像フォーマットと一体化したサムネイルアイコン

(4) 読影の目的に応じた画像処理パラメータをプリセット
「白黒反転処理」、「乳腺強調処理」など、診断用途に応じた画像処理を3パターンまで登録できます。ワンクリックで画像処理が瞬時に切り替わるため、様々な読影シーンでの最適画像が表示可能です。フィルム用パラメータをも登録できます。

(5) 関連システムとシームレスに連携可能

1.「SYNAPSE」と連携することで、超音波やMRI、CTなどの検査画像を同一端末で閲覧することができます。
2.微小石灰化や腫瘤に似た領域を検出する、コンピュータ乳がん検出支援システム(CAD)で検出された結果を表示でき、読影をサポートします(※CADはオプション品です)。

(6) マンモグラフィ検診精度管理中央委員会が行うソフトコピー施設画像評価提出基準を満たしています

*5 一般的にデジタルマンモグラフィは画素サイズが小さいためデータ容量が大きく、従来のワークステーションでは画像の表示に時間がかかることがありました。
*6 MLO:乳房を斜めに挟んでポジショニングし撮影すること。またその画像を指します。
*7 CC:乳房を上下(頭尾)方向に挟んでポジショニングし撮影すること。またその画像を指します。

5．主な仕様
<基本構成>
・PC一式（マウス、キーボード含む）
・専用キーパッド
・汎用17インチカラーモニタ
・5メガピクセルモノクロ高精細モニタ×2
・ライセンスキー
・アプリケーションソフトウェア一式

6．システム構成図