十二指腸用処置スコープ「ED-840T」新発売
- 富士フイルムメディカル株式会社
- 2025年9月8日
富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、LED光源搭載内視鏡システム「ELUXEO(エルクセオ)」用の十二指腸用処置スコープの新ラインアップとして、4.5mmの大鉗子口を搭載し、先端形状と軟性部特性を見直すことで高い挿入性を実現した「ED-840T」を、富士フイルムメディカル株式会社(本社:東京都港区、社長:川原 芳博)を通じて9月8日より発売いたします。「ED-840T」は、乳頭部に対する高精細な画像の提供と処置具の起上角度の向上により、胆膵疾患において効率的な内視鏡治療をサポートします。
富士フイルムメディカルは、「ED-840T」を10月30日〜11月1日に神戸コンベンションセンター(兵庫県神戸市)で開催される「第33回 日本消化器関連学会週間」に出展いたします。
近年、胆管や胆のう、膵管などに発生する胆膵疾患の診断・治療において、患者の身体的負担が少ない低侵襲な治療として、内視鏡の使用が増えています*1。胆膵疾患の内視鏡診断・治療は、消化管の中でもスコープを到達させることが難しい部位の1つである十二指腸乳頭部を経由して行われます。口から挿入したスコープが十二指腸まで到達すると、胆管・膵管の入口である乳頭部に、処置具の挿入を補助する「ガイドワイヤー」*2を内包した管(カニューラ)*3を挿入します。乳頭部の位置、形状、胆管・膵管走行には個体差があるため、カニューラを挿入するには医師の繊細な手技が求められます*4。
今回発売する十二指腸用処置スコープ「ED-840T」は、胆膵疾患の診断・治療をサポートするため鉗子口最小径を従来機種*5の4.2mmから4.5mmに拡大。これにより、太径処置具の挿通性・抜去性と処置具挿入時の吸引性能向上が期待できます。先端部径は13.1mmと従来機種*5同等に抑え、先端形状も丸みを持たせる事で咽頭・幽門の挿入をサポートします。また、手技中に重要となる軟性部は、弾発性*6に優れた素材を採用した高追従挿入部を搭載することで、医師がスコープの向きを変えるために操作部をねじる際の手元の力を先端まで効率良く伝えます。さらに、高解像度CMOSセンサーを搭載し、クリアなハイビジョン画質を実現。高精細な画像を提供し、乳頭観察をサポートします。
胆膵疾患の処置では、ガイドワイヤーに沿わせて複数種の処置具の交換を繰り返し行います。本製品は起立台を最大起立位置にすると、ガイドワイヤーが押さえられ、簡単に処置具を交換することができるため、処置時間の短縮*7が期待できます。また本製品は、処置具の角度を調整する起立台の形状・長さを見直すことで、太径の処置具を曲げる角度を従来機種*3から改善し、スムーズな処置をサポートします。
当社は、これまで胆膵領域の診断・治療において、超音波内視鏡システム、ダブルバルーン内視鏡システム、胆道鏡システム等の内視鏡関連製品の他、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)を支援するX線透視装置やソフトウェア等を提供してきました。今後、内視鏡・IT・X線透視装置・超音波診断装置を連携させることで、診療のさらなる効率化と医療の質の向上、人々の健康の維持増進に貢献していきます。
*1 Tomoo Manaka、Tetsuya Takikawa、J Gastroenterol. 2025 Aug;60(8):1036-1046
*2 胆管・膵管・消化管、その他の管腔(管状の構造を有する臓器)用の手技において、カテーテル、チューブ等の位置調整及び移動を補助するために、一時的に使用する器具。
*3 胆のう、胆管、膵管等に挿入し、薬液の注入や処置具の挿入などに用いる管。
*4 猪俣正秋,照井虎彦,遠藤昌樹,ほか.乳頭の解剖、内視鏡分類、挿管法の基礎.消化器内視鏡 2008;20‐12: 1973‐1803
*5 当社従来機種「ED-580T」との比較。販売名:電子内視鏡 ED-580T 認証番号:230AABZX00019000
*6 挿入部を曲げた際に、挿入部が元の位置に戻ろうとする力。
*7 当社従来機種「ED-530XT8」との比較。販売名:電子内視鏡 ED-530XT8 認証番号:220AABZX00256000
1.品名
十二指腸用処置スコープ ED-840T
販売名:電子内視鏡 ED-840T
認証番号:306AABZX00049000
2.発売日
2025年9月8日
3.特長
(1)4.5mm大鉗子口を搭載
スコープ内で処置具などが通る鉗子チャンネルの内径を4.5mmに拡大させ、大鉗子口径を実現。構造を見直すことで、鉗子口の太径化と耐久性を両立。太径処置具のスムーズな出し入れや、処置具挿入時の吸引性能向上を実現し快適な検査をサポートします。
(2)先端部径13.1mmを実現
鉗子口最小径4.5mmながら、13.1mm径の先端部径を実現しました。これにより挿入性と処置性の両立を目指します。
(3)丸みを持たせた先端形状と挿入性・操作性の向上を目指した軟性部仕様を採用
咽頭・幽門通過性能の向上のため、先端形状に丸みを持たせました。また、挿入部はより先端までコシのある挿入部仕様を採用。術者の操作が先端に伝わりやすいため、十二指腸における操作性の向上が期待できます。
(4)処置性能の向上を目指した処置具の起上角度の見直しと処置具のスムーズな交換を実現する機構を採用
処置具の角度を調整する起立台の形状・長さを見直すことで、太径の処置具を曲げる角度を改善しました。また、起立台を最大起立位置にすると、ガイドワイヤーが押さえられ、簡単に処置具を交換することができ、処置時間の短縮が期待できます*7。
(5)高解像度CMOSセンサーにより高精細画質提供
高解像度CMOSセンサーを搭載。クリアなハイビジョン画質でカニューラ挿入時の乳頭の観察性の向上が期待できます。また、「BLI」や「LCI」及び「ACI」といった画像強調機能にも対応し、日々の内視鏡検査を診断から処置まで支援します。
4.主な仕様
視野方向 105°(後方斜視15°)
視野角 100°
観察範囲 4〜60mm
先端部径 13.1mm
軟性部径 11.3mm
わん曲角 UP:120°/DOWN:90°/LEFT:90°/RIGHT:110°
有効長 1250mm
全長 1550mm
鉗子口最小径 4.5mm
- 企業サイトURL
- https://www.fujifilm.com/fms/ja
- ニュース・プレスリリース
- https://www.fujifilm.com/fms/ja/news/359
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